●暮らしの"ピ"ント集(第194回:2016/11/25投稿分)

暮らしの"ピ"ント集【今週の、社長の金(曜日の)言(葉)】

(第194回:2016/11/25投稿分)

 

激務の数カ月がすこしだけ落ち着きをみせはじめまして、そうしますと、体力的な面だけではなく、忙しいときにはどうでもよかった事柄が気にかかる、引っかかる、そんな余裕が頭の中にも出てきます。

すると、こうした頭に引っかかってくるあれこれに対してあれこれと考えてみることで人間としての成長はもたらされるのかもしれない、ということで、くよくよと悩んでみている今日この頃。

 

さて、そんな今日子の五郎(KAN(C))。まさに今、引っかかっていることとは「もうそろそろ使ってもいいんじゃねぇか、"ほぼほぼ"」という問題です。

 

――はい。"ほぼほぼ"。"ほぼ"が、"ほぼほぼ"。いつごろから使われはじめた用語であるのか定かではありませんが、交友関係の比較的狭い、そんな私の周囲でも頻繁に聞かれるようになったのは、3年前くらいでしょうか。そして、2年ほど前には"ほぼほぼ"ブームがその絶頂期を迎え、ここ1年前ですっかり世間で定着した、そんな印象ですが、みなさんはどうでしょう。

おそらくビジネスシーンから普及しはじめたのではないかと思われるこの"ほぼほぼ"ブームですが、どうして引っかかっているのかと言いますと、ほかでもない、私がそんな"ほぼほぼ"ブームに完全に乗り遅れてしまった気がするからであります。

 

そう。私はこれまでに一度も"ほぼほぼ"を口にしたことがありません。しかしそれは「まったく最近の若者は!」とか「なんか"ほぼほぼ"ってイライラしない?」とか「"ほぼほぼ"なんて日本語はそもそも存在しないのさ。正しい日本語は"ほぼ"なのさ」とかそういうことではありません。

 

例えば私はドラマ『GOOD LUCK!!』でキムタクが「ぶっちゃけ」をぶっちゃけまくってた時代には、ぶっちゃけ臆面もなく「ぶっちゃけぶっちゃけ」言っていた気がしますし、"ほぼほぼ"と同じようにビジネスシーンでブームを巻き起こし多用されるようになったと思われる用語でいえば"モチベーション"だの、"ベクトル"だの、"バジェット"だのも別にこれといった抵抗もなく使用していた気がする流行語大賞ならぬ流行語大衆です。PPAPHBHB

 

そして、正しい日本語であるか否か、といった問題も非常にあやしいものです。私がさきほどサラリと書きました"そもそも"という言葉も、そもそもは"そも"だと言うじゃありませんか。

詳しくは知りませんが、今回何気なく使った"くよくよ"だって"くよ"、"そろそろ"も"そろ"だったかも知れません(知りませんが)。もっと言えば、"ツルツル"も "ムキムキ"も"カピカピ"も"マナカナ"も"パックンマックン"だって研究の価値ありです。

 

ことほどさように言葉は時代によって成長し、変化するものなのです。

 

それなのに、そんな私であるはずなのに、なぜか使うタイミングをすっかり逃してしまっていた"ほぼほぼ"。実際に発音したら絶対に気持ちがいいはずの"ほぼほぼ"。それなのに、ああ、それなのに。"ほぼほぼ"。

 

「よっしゃー! ほぼ完成!」。そんな"ほぼ"を口にするたび(......ハッ!)となっている、そんな日々を過ごしている次第です。

 

もちろん、そんなに使いたいのなら勝手に使えばよいのですけれど、なんというのでしょうか、それはまるでエスカレーターに乗ることができない子どものように二の足を踏んでしまうのですね。

そしてもちろん、なにも無理をしてまで使う必要などないのだとも思います。けれども、もう少しの時間が経てば「おじいちゃん、今は"アベック"なんて言わないのよ。"カップル"、って言うのよ」という段階にまで"ほぼほぼ"は来ている気がするのです。

仮に今、「きみ、"そも"人間というのはだねぇ」なんて言っちゃったら、(まぁ、この人、文豪かなにかかしら)と思われてしまうはず。そんな時代が"ほぼ"にも刻々と迫っている。そんな危機感すら覚えます。

 

「ほぼほぼ?」「ほぼほぼ」「ほんとに、ほぼほぼ?」「ああ、ほんとうにほぼほぼさ」。私だってそんなふうに妻とまるで新婚時代のような会話のキャッチボールを楽しんでみたい。

 

あんなに小さかった"ほぼほぼ"。中学生に入ってすこしヤンチャになった"HOBOHOBO"。そんなあいつも結婚をし、やがて子を持つ親になり、すっかり年をとった私にこんなことを言いました。「あなたの子どもに生まれたことは"ほぼほぼ"奇跡です」。「ほぼほぼー!」「ほぼほぼー!」。

 

――嗚呼。嗚呼、書くのじゃない。口に出して言いたい、"ほぼほぼ"。

 

いいや、うん。そうですね。いきなりの"ほぼほぼ"あまりにもハードルが高すぎます。

 

――よし。まずは、貴婦人の笑みからはじめてみよう。そうしよう。

 

ほほほほ♪:早川やぁ!次郎